永らくお預かりしてしまっているこちらのJA11ジムニー。
持ち込みでのレストア リフレッシュ依頼です。
はじめにお断りしておきますと、
これほどの状態の場合、費用や期間やその先の耐久性のことを考えると別の状態の良い個体に乗り換えた方が得策です。
JA11で錆びていない個体は、少なからずまだあります。
でも、人間と車の関係って、それだけじゃないですよね。
オーナー様はこの車に長く乗ってきて愛着もあり、なんとかこの個体を生かしたいというご要望。
大掛かりなレストアをすることになったのです。
こちらも甘く見ていたところがあり、やればやるほど作業が増えてドツボにはまっておりますが、、、
レストアのお問い合わせ、ご相談も多いのですが、
カスタムコンプリートのオーダー製作が約1年も掛かってしまっている状況ですので、
大掛かりなレストア作業はしばらくお受けすることができません。
先にエンジンを降ろした状態でボディーのリフレッシュに入りましたが、
状態が想像以上に悪い。
リヤのフェンダーアーチは一周腐食。
補修できるレベルではありませんので、
左右共にクウォーターパネルを新品に交換。
交換作業は鈑金屋さんに依頼しましたが、
継ぎ目の後処理はこちらで。
スポット跡も極力綺麗に。
Aピラーに腐食穴。
どうやら1回補修されているようですが、
パテで埋めただけの簡易的なもの。
表面にサビが出ている場合、裏側はさらに広い面積でサビています。
切除した部分の裏側は、こんな感じ。
表面だけ削っても駄目な訳です。
大きく切除し、鉄板を溶接します。
移植する皮膚は、JA22の部品取り車から切り出しました。
JA11のAピラー付け根は鉄板が数枚重なってスポット溶接されていて腐ってしまうことが多いのですが、
JA22でこの部分が錆びてしまっている個体は、ほとんどありません。
カットしてみると、内側の構造がJA11とまるで違うことがわかります。
ボディーはほぼ同じに見えるJA11とJA22ですが、
見えない部分で進化しているのです。
強度もそうですし、腐食対策も考えられています。
切開して、
切り出してきた鉄板と形を合わせて、
突き合わせ溶接。
ワイパー穴付近にクラックが発生していました。
裏から見ると補強で鉄板を重ねて貼ってあり、
その合わせ面内側からサビが発生、クラックが入ってしまったようです。
サビ 腐食が発生するのは、大概鉄板が重なった部分です。
削ってみましたけど、駄目ですね。
クラックの上から溶接しても、内部の腐食は処置できないのでまたすぐに再発します。
ここもドナーのJA22から切り取ってきて移植します。
JA22は補強は入らず単板構造。
やはり進化しています。
補強なしでも強度は十分で、むしろ鉄板を重ねることが強度を落とすことになるということをメーカーも理解したのでしょう。
今回、フロントフェンダーをごっそり外しての作業となります。
フェンダーを外さなければ見えないこの部分。
錆びてます。
アクセルペダルの付け根付近にも大きな腐食穴が。
漏れたバッテリー液が溜まって錆びたものと思われます。
他の個体でも同じ部分が腐っているのを見たことがあります。
強度が必要な部分です。こちらも鉄板溶接。
内装部品を全て外しました。
フロアーが丸見えになります。
この辺りはいいんですけど、
だいぶきてますね~
うわ!
ああ、
とりあえず削ってみます。
ここも、きてますね。
合わせの中側は、どうにもできません。
切り取ったら、パネルがバラバラになっちゃうし。
まだまだ先が見えず精神を病んでおりますが、頑張ります。
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