ジムニー 2015年12月19日

JA22ジムニーのエンジンって実際どうなの?

恐怖を煽る商法ではございませんが、

JA22のK6Aエンジン、なにもしてないとかなりの高確率で壊れます。

これ、本当に脅しとか極端な話ではなく、ビックリするほど壊れます。冗談抜きで。

ここ最近でも他店購入のJA22ジムニーがエンジンブローで立て続けに数台入庫してますし、

酷い話ですと個人売買で購入し、帰り道の道中でエンジンブローしそのままJAFで当店搬入、なんて事例も。

当店が仕入れるベース車輌も、オークションに出ている車を物色するとエンジンが逝きかけてる車や既に死んでいる車が結構多いです。

(むしろまともな車のほうが少ないかも。)

どうしてこれほどまでに壊れるか、という理由はひとまず置いといて、

エンジンにはなにも手を入れず、外見だけカスタムして販売されているジムニーを購入するのがいかに危険か、という事をご理解頂きたいのです。

そこで気になるのが、SCM EXPERIENCEで製作したジムニーはこの先どこまで乗れるのか、といったところでしょう。

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この質問に関しては、実は明確な答えがないのが実情です。

というのも、当店が本格的にジムニーを扱いはじめてから、まだ4年目。

つまり、4年分のデーターしかないのです。

正直なところ、全く故障無し!とはいきません。

ここで、私が知りうる限りでの当店販売ジムニーのエンジン故障事例を公開したいと思います。

ご購入を検討されている方は参考にして頂ければ幸いです。

月販売台数3~5台くらい、初期の数台を除いては全ての車輌にエンジン腰上OH、もしくはリビルトエンジン載せ換え後に納車しております。

その内、

腰上(シリンダーヘッド)OHしたものの、腰下(シリンダーブロック)側の不具合によりオイル上がりを発症してしまった車輌 K6A搭載車輌4台 F6A搭載車輌1台

 

腰上OHで納車、1ヶ月以内に高速道路走行中にエンジンブロー、1台。(走行7万キロ台のK6A搭載車。)

コンロッドがシリンダーブロックを突き破り、穴が開くほどの派手なエンジンブローでした。

原因は定かではありませんが、3速ATに31インチの大径タイヤで勾配の激しい中央道を連日山梨~東京間往復という過酷な状況。エンジンに過度な負担だったと思われます。

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腰上OH後納車、約2年半後に高速走行中に異変。(K6Aエンジン)引き上げ調べると、3番シリンダーがほぼ圧縮が無い状態。

こちらもATに31タイヤの組み合わせでエンジンの負担は大きく、さらにオイル管理が悪かった模様。

 

腰上OHで納車、約1年半後にメタル打音で入庫。(F6Aエンジン)

その前にもタービンブローで入庫、聞くとオイル交換を1度もしてないとのことで、オイル管理の悪さが原因と思われます。

 

リビルトエンジンに載せ換え、私が自走で愛知県まで納車の道中、高速道路走行中にエンジンブロー。(これにはさすがに焦りました!)

ラジエターなどの補機類が悪かったのか、慣らし無しでいきなり高速全開走行が悪かったのか。もしくはリビルトエンジンの初期不良か。

 

リビルトエンジンに載せ換え後約3年、高速道路走行中にエンジンブロー。

当社にて分解しましたが、2番シリンダーの燃焼室の一部が溶解し吹き抜けていました。

オーナーさんいわく、走行前にラジエターキャップを点検し、閉め忘れていたかも、とのこと。

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以上、把握している限りではこのような状況です。

間違いなく言えるのが、リビルトエンジン換装後の故障率の低さ。

内容を考えればほぼ新品のようなエンジンですから、当然でしょう。

難しいのが、腰上OHの場合。

中古エンジンなので、同じような走行距離でも扱いによって個体差は当然出ます。

シリンダーヘッド側の不具合は解消できますが、OH前にシリンダーブロック側の状態の可否を判断するのがとても難しいところ。

ピストンリングのみ交換してみたこともありますが、症状は改善されませんでした。

シリンダーの磨耗や歪みが発生しているものと思われます。

それでも腰上OHで納車した車で、JA22で多いヘッドガスケット抜けが発生した車は、私の知りうる限りでは今のところ1台もありません。

そして、いくら対策を施してもオイル管理が悪いと全てが水の泡です。

オイルは、エンジンの生命線。こまめに交換しましょう。

 

さて、最近腰を痛めてしまったENDO君に代わりエンジンの洗浄作業に従事しました。

(実はやってみたくてウズウズしていたのです。)

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お湯に溶かした洗浄剤にエンジンを漬けて、ブラシでゴシゴシ。

エンジンのお風呂みたいなものです。

この洗浄剤が優れもの。

汚れを強力に落とす割りに、お肌に優しく素手でも作業できます。

洗浄後。気持ちいい!

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この後ポート内に残ったカーボンを削り落とし、バルブすり合わせ。

実は今、シリンダーブロックまで手を入れたフルオーバーホールに着手しています。

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内燃機屋さんに見てもらうとシリンダーに歪みが発生していたので、オーバーサイズピストンに合わせてボーリング、ブロック上面は面研してもらいました。

完成が楽しみです。

 

この記事は2015年のものです。

2021年4月11日 2021年のK6Aエンジン事情 書きました。

ぜひご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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